last update 2005/02/10 16:43:10
セルナンセーリェ(Sernancelhe, Portugal)は ポルトガル中央部の高地ベイラ地方の山間、 ポルトガル北部の港町ポルトから自動車で約3時間の距離にある。
セルナンセーリェの名は、 ポルトガル本国に於ても必ずしも広く知られている訳ではない様だが、 その名がキリシタン文献の研究者に等しく記憶されているのは、 偏にこの地が、 かの通事ジョアン・ロドリゲス (João Rodriguêz Tçuzu)の生地である事による。
2005年1月、 丸山徹教授(南山大学)、岸本恵実博士(大阪外国語大学)と豊島の3人は、 トラーズ・ウズ・モンテス大学(Universidade de Tras os Montes e Alto Douro, Portugal, 以下UTAD)教授であるカルロス・アスンサン博士(Prof. Dr. Carlos Assunção)のお招きにより、 同大学を訪問してキリシタン文献・ロドリゲスの業績に就ての講演を行なう傍ら、 このロドリゲスの故郷を訪ねる事が出来た。
この訪問が可能となったのは、 カルロス・アスンサン博士、 及び、 セルナンセーリェ市長ジョセ・マリオ・カルドーゾ博士(Dr. José Mario Cardoso, o Presidente da Camara Sernancelhe) の御厚意によるものである事を明記し、 深甚の謝意を捧げる。
セルナンセーリェは、 行政区分としてはViseu 州に属する一Município(地方自治組織)である。 ポルトガルの行政区分は日本と異なるが、 便宜上、以下ではセルナンセーリェの呼称を一貫して「市」とする。
この点に就ては、 J.P.Barron & T.Maruyama(1999) ``Interpreting the interpreter'' (「南山国文論集」23 (南山大学)より、著者の許可を得て転載)を参照されたい。
我々は、旅行開始時には、 セルナンセーリェ市がこの様に通事ロドリゲス顕賞を行なっているとは全く知らず、 現地を訪れても「通事ロドリゲス?、それ誰?」という反応を覚悟していたが、 これは全く外れ、 市は、 ジョアン・ロドリゲス記念碑は勿論の事、 ジョアン・ロドリゲス記念スポーツセンター、 ジョアン・ロドリゲス小学校、 更に数々の小冊子の刊行と、 故郷の偉人の顕賞に努めておいでであるのは、喜ばしい驚きであった。